初冬の予防接種だけでは安心できない・・・

冬以外にも発症者が増加

インフルエンザは冬の感染症で、冬の始めに予防接種を受ければ大丈夫と考えている人は多いでしょう。しかし最近は、冬以外にも感染者が多くなっています。日本の本州では、温度と湿度が低い冬に流行しますが、それ以外の地域では日本の夏に当たる時期にインフルエンザが流行しているのです。

インフル感染もグローバル

日本と夏と冬が逆になる南半球、暑い日が多く雨季と乾季に分けられる亜熱帯性気候の東南アジア、日本国内でも亜熱帯性気候である沖縄県などでは、日本の夏に当たる季節にインフルエンザが流行します。夏にこうした地域に旅行する人が多くなり、そこで感染する人が多くなっています。さらには、日本自体の気温が高くなり、まるで亜熱帯性のような気候になっていることもあります。こうしたことから、夏からインフルエンザの感染者がでて、9月に学級閉鎖になる小学校があるほどなのです。

「予防接種で安心」は禁物

また、冬の始めに予防接種を受けたばかりに、かえってインフルエンザに罹りやすくなってしまう人もいます。インフルエンザはワクチンを打っても、インフルエンザにかかる可能性があります。特に、乳幼児の発病防止率はわずか2〜4割ほどしかありません。つまり6〜8割の乳幼児は、ワクチンを打っていてもインフルエンザに罹患してしまうのです。

つい他の予防策がおろそかに・・・

インフルエンザワクチンは、あくまでも日本全体での流行時の発症人数を減らすという効果を狙ったもので、個人個人が罹らなくなる訳ではないのです。ワクチンを受けていると、ついつい手洗いなど他の予防策ががおろそかになりがちで、かえってインフルエンザにかかる危険性が高くなってしまうのです。

   

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