秘伝の技が、今は長寿の秘訣 「水泳」

水泳は武芸

水戸光圀はひじょうに運動好きで、特に水泳は得意だったようで、江戸に住んでいた12才の時に、川幅が150mもあった浅草川(現在の隅田川)を軽々と泳ぎ切ったという記録が残っています。じつは水泳は武士がたしなむもの、武芸として重要なものだったのです。

水泳は秘伝

水の中で潜んだり泳いだりする技術は、戦国時代であれば敵情視察したり合戦から逃げたりする場合に役立つので、その集団の戦闘能力に直結する大切な力と考えられます。ですから、泳ぎの技術は秘伝とされ、限られた人にしか見せない、教えない、というものだったのです。そうした水戸藩の古式泳法は長年伝えられ続け、じつは今でも水戸には水府流水術として伝わっています。

高齢者でもできる「のし泳ぎ」

甲冑を身につけ刀を差したまま泳ぐ方法なども伝わっていますが、現代人の健康増進に役立ちそうな泳ぎは、「のし泳ぎ」と呼ばれる、横向きでけのびをするような泳ぎ方です。ゆったりと顔を出して泳ぐ方式で、手足をかく回数も少なく、筋力が少なくても無理なく泳げるので、高齢者に人気となっています。この泳ぎ方だと関節に痛みがあっても泳ぐことができる上にヒザへの負担も少ないので、90才でも100才でも続けられると泳ぎ方と言われています。

水泳すると赤血球が増える

そして、水泳のもう1つの特徴は、呼吸がしづらいこと、つまり低酸素状態になることです。低酸素状態で運動すると、酸素が足りなくなったことを身体が感知して、酸素を身体全体に運べるように体内の赤血球を増やします。泳いだ後に低酸素でない環境に戻ると、増えた赤血球が酸素をより多く運ぶようになっていて、これにより酸素を原料とする細胞分裂が活発となり、健康増進が期待できるのです。

    

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