原因不明の不調･･･胃はとても繊細な器官

胃の慢性不調に病名

胃の調子が良くない人は少なくないでしょう。しかも胃は、実際に不調があっても検査で異常がないケースが多いと言われてきました。最近ようやく胃の慢性不調に「機能性ディスペプシア」と病名がつき、治療薬が保険適用になりました。ちなみに、「ディスペプシア」とは「胃の不快な症状」という意味です。

これまでは原因不明

「機能性」という名称は、目に見える「器質性」の異常と違い、臓器の反応や動きなど「機能」の異常であることを意味しています。例えば、胃もたれや吐き気、胃痛などの症状が、食事の間や食後すぐに出る場合です。これまで原因不明のまま慢性胃炎や神経性胃炎とされてきた症状に対し、原因に基づいた診断名と効果的な処方せんを出せるようになりました。

その遠因はストレス

機能性ディスペプシアには、大きく２つの要因があります。１つめは胃の運動機能異常です。胃に入ってきた食べ物がすぐ胃の下部に流れ、満腹感を感じてしまい、小腸に送り出す動きに支障が生じます。これらの症状はストレスによって起こることが多く、その不快症状がさらなるストレスになるという悪循環を起こしやすく、慢性的に長く不調が続きます。しかし最近は薬によって約半数の症状が改善するようになったので、体質だからとあきらめずに専門医に相談しましょう。

ストレスのケアが大切

２つめの要因は知覚過敏です。胃酸がそれほど多くないのに胃が過剰に反応して胃痛を感じたりします。治療としては胃酸の分泌を抑える薬などを処方しますが、ストレスが関係していることも多いと考えられます。胃や腸はストレスの影響をうけやすく、とても繊細な臓器です。症状への対処療法だけでなく、ストレスもケアすることが大切です。

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