ヤケ酒すると・・・嫌な記憶が強くなる?!

ハエでもヤケ酒する?

仕事でイヤなことがあると、ついヤケ酒を飲む人もいるでしょう。ハエを使ったある実験では、メスにふられたオスのハエは、アルコールの入ったエサを好んで食べたそうです。つまり、ハエでさえもヤケ酒をするということです。それを考えれば、憂さ晴らしに酒というのは自然なことかもしれません。

ヤケ酒は嫌な記憶を強めてしまう

しかし、このヤケ酒が実は精神的に良くないという実験結果が出ています。ヤケ酒はストレス解消になるどころか、かえって嫌な記憶を強めてしまう可能性が高いのです。ネズミを使った実験において、ネズミに電気ショックを与えてからアルコールを注射して、その後どのようにふるまうのか調べてみました。すると、アルコールを注射されたネズミは、電気ショックを忘れるどころか、かえって電気ショックによる恐怖を強め、臆病になってしまったのです。

毎日ヤケ酒だと・・・

お酒をたくさん飲むと記憶を失うことがあるので、ヤケ酒もそうやって忘れてしまいたいという思いが元になっての行動なのでしょう。しかし、イヤな記憶を忘れさせるどころか、強化されてしまうわけです。さらに、そうした飲酒習慣をしていると、嫌な記憶を消す能力が下がるという研究結果もあるのです。つまり、毎日のようにヤケ酒を飲んでいると、嫌なことの記憶が鮮明に脳裏に刻み込まれていき、どんどん消えにくくなってしまうのです。

麻酔効果もあり

ちなみに、アルコールにはたしかに麻酔効果があります。お酒を飲むとアルコールは胃や腸で吸収されて血管へまわります。血液中のアルコールは、人間の意識や精神活動など理性をつかさどる大脳新皮質(脳の表面に近い表層部分にある)に麻酔作用を及ぼします。麻酔作用で働きが鈍くなると、大脳新皮質の働きに抑制されていた人間の本能や情緒活動など感情をつかさどる部分の働きが活発になるからと言われています。

   

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