健康的な食事が原因かも? ―おならの悩みー


腸内細菌が原因の場合も

健康的な食事をしているのに、おならが出やすいと気になっている人がいるようです。おならが出る第1の理由は、飲み込んだ空気に含まれる窒素ガスです。他には、腸内細菌が作る水素ガスや二酸化炭素が原因です。小腸で吸収されない食物繊維などが大腸に移動して腸内細菌のエサになり、細菌が分解する過程でガスが出ます。

野菜の取り過ぎが原因

男性でガスが多くなる原因は食べ過ぎが多いのですが、女性では野菜の取り過ぎが原因のことが多くなっています。健康のためにと食べた野菜が腸内ガスという副産物を生んでしまうのです。そこで、最近注目されているのが、ガスや腹痛、下痢などの原因になる特定の糖質を控える「低FODMAP(フォドマップ)食」です。FODMAPという言葉は、「発酵性のオリゴ糖・二糖類・単糖類・ポリオール類」という糖質の種類を表しています。

腸によい食事が・・・

オリゴ糖などは腸によい食品の代表格ですが、人によっては良い面ばかりではありません。小腸で吸収されにくく、小腸内で糖質の濃度が上がると、それを薄めようとして水分が小腸内に引き込まれます。すると、おなかがゴロゴロしたり、痛みや下痢が起こったりします。さらに、糖質が大腸まで運ばれると腸内細菌のエサになり、多量の水素ガスが発生して、おなかの張りやおならが増えるのです。

臭くないのはOK

ガス自体は身体にとって必ずしも悪者ではありません。ガスが良く出る人の方が心筋梗塞や脳梗塞の発症が少ないという報告もあるくらいです。腸内で発生した水素ガスが、身体に害のある活性酸素を消去してくれるのではないかと考えられています。しかしもちろん、臭いガスは腸内環境が悪化している証拠なので要注意です。食物繊維由来のガスは水素ガスなどが大半で臭いはありませんが、高タンパクで高脂肪なものを多く取ると、分解されてアンモニアなどの有害物質が作られて臭うのです。

    

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