今年から始まる「セルフメディケーション税制」


市販薬が控除対象に

2017年度からセルフメディケーション税制が始まります。これは一言で言うと、ドラッグストアなどで購入する市販薬が税金控除の対象になるということです。実際に確定申告をする時期は2018年春になりますが、その対象となる期間は2017年の1月から12月です。レシートなどの証明書類を処分してしまうと申告出来ないので、今からしっかりと知っておきましょう。

「セルフメディケーション」とは?

セルフメディケーションとは、世界保健機関(WHO)によれば、「自分自身の健康に責任を持ち、軽度な身体の不調は自分で手当てすること」と定義されています。広義的には、健康維持、疾病予防の方法を食事、運動、休養にまで広げて、「自分で自身の健康管理を行なうこと」の意味で使われます。

なぜ、この税制が始まるの?

狭義の意味では、自分の健康には自己が最終責任を持つという理念に沿って、一般用医薬品(OTC薬)の使用などで自己治療することを指します。今回のセルフメディケーション税制は、こちらの狭義の意味を表しています。では、なぜこのような税制を始めることになったのでしょうか。それには、少子高齢化が深刻化する日本社会が背景にあります。

国の負担を減らすため

平均寿命が延びることは喜ばしいものの、負の面としては医療費の増大という問題を生んでいます。国が負担する医療費は毎年増え続け、すでに年間40兆円にまで達しています。この対策として、現在の医療制度を見直して、セルフメディケーションをベースとした新たな構造を構築する必要があるのです。つまり、医療機関にかかって国が負担する医療費がかさむよりも、出来るだけ個人で何とかして欲しいというのが国の本音です。セルフメディケーションを日本社会に促進させるための一策がメディケーション税制なのです。

   

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