古代インドからの知恵 「アーユルヴェーダ」


生命の化学

「アーユルヴェーダ」をご存知ですか?日本でアーユルヴェーダというと、オイルマッサージのイメージが強いのですが、実はかなり広い意味合いがあります。サンスクリット語で「アーユル」は「生命」、ヴェーダは「科学と知識」を意味するので、「アーユルヴェーダ」は「生命の科学」と訳されます。

数千年の歴史

アーユルヴェーダの歴史は数千年と言われており、紀元前5〜6世紀に生まれたブッダがアーユルヴェーダの治療を受けたという記録が仏典に残っているので、少なくとも2500年以上の歴史があることは確実です。アーユルヴェーダの古典医書は詩の形式で書かれていて、驚くべきことに、受精卵や遺伝に関することなど、最新医療機器なしには知りえないような知識も含まれています。アーユルヴェーダは自然界をよく観察し、そこから導き出される壮大な理論によって成り立っているのです。

五大元素 「土・水・火・風・空」

アーユルヴェーダでは「土・水・火・風・空」、この五大元素によって宇宙にある全ての物質が構成されていると考えます。ただし、五大元素は実際の「土」や「水」を指しているわけではありません。「土」は押して抵抗のあるもの、つまり質量のある物質の総称です。「水」は結合エネルギー、「火」は熱エネルギー、「風」は運動エネルギーを象徴しています。そして「空」は空間を指す抽象的な概念です。そして、小宇宙である人体も五大元素の組み合わせから出来ていると考えられているのです。

3つの生命エネルギー 「ドーシャ」

アーユルヴェーダでは、この五大元素をもとにした「ドーシャ」と呼ばれる3つの生命エネルギーが、自然界における全ての現象を支配していると考え、これを「ドーシャ理論」と呼んでいます。風に象徴される「ヴァータ」、火に象徴される「ピッタ」、水と土に象徴される「カパ」、この3つがドーシャ(生命エネルギー)で、これらによって私たちの身体や心は動いているのです。

   

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