気圧の変化で体調不良が起こるのは、なぜ?


気をつけたいのは

もっとも気象病が起こりやすいのは低気圧が近づいた時です。低気圧とは周りの気圧よりも低いエリアのことで、そこでは私たちの体にかかる圧力は低くなります。気圧は地上から高い場所へ行くほど低くなるので、エレベーターで上昇する時を思い浮かべると分かりやすいかもしれません。

エレベーターを例に考えてみる

エレベーターで上昇すると、耳の外側の気圧の方が内側の気圧よりも低くなります。そうした時に耳がツーンとなる経験をした人は多いでしょう。こうした時に、つばを飲み込んだりして鼓膜の内側と外側の圧力を同じにすると症状が緩和されます。この時の状況と同じようなことが、気圧が変化するたびに全身で起こっているのです。上昇するエレベーターでは耳がおかしくなりやすいですが、下降するエレベーターでは何ともない人が多いと思います。人間の体は気圧が低くなる時に不調が起こりやすい性質があるのです。

内耳は気圧センサー

耳の奥にある内耳には気圧センサーのような働きがあるといわれ、これが気圧変化への対応に大きく関係しています。耳の外側で気圧の変化が起こると内耳が「体のバランスが崩れた」と感知して、それを脳に知らせるのです。しかし、耳以外にも「体のバランス」を感知する器官があり、そこから「体のバランスは崩れていない」と信号が送られると、2つの異なった信号を受けて脳が混乱を起こし、体調不良につながるのです。

めまいが起こる仕組み

例えばめまいです。耳からセンサーからは「体のバランスが崩れた」と信号が送られる一方で、目からの情報では「体のバランスは崩れていない」と認識します。このズレで脳が混乱して交感神経を興奮させ、めまいが起こるのです。実は、このメカニズムは乗り物酔いと良く似ているので、気象病のめまいの改善には酔い止め薬が効く場合もあります。

    

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