めまいなのに…その原因は「耳」なの?


めまいの原因…メニエール病

何のきっかけもないのに突然目がぐるぐる回ってしまう、これが「めまい」です。全く耳と関係ないようですが、じつはめまいは耳の不調が原因で起きていることがあります。そうした耳の病気としてよく知られているのが「メニエール病」です。めまい患者の5〜10%はメニエール病から起こると考えられています。

耳の役割:音を聞くこと

これには、あまり知られていない耳の役割が関係しています。もちろん耳の大きな役割は音を聞くことです。耳は大きく分けて外から順に、外耳・中耳・内耳という3つの部分から成り立っています。耳の外から入った音は鼓膜を振動させ、中耳にある小さい骨を通って、内耳にたどりつきます。内耳はカタツムリのような形をしていて、その中にリンパ液という液体が流れています。外から入ってきた音がリンパ液を振動させ、その信号が脳に伝えられると私たちは「音がする」と感じるのです。

もう1つの大切な役割は

内耳の中にあるリンパ液には、もう1つ大きな役割があります。それが体のバランスを取ることです。例えば、走ったときには耳の中のリンパ液の流れが変わります。すると、どの方向にどれくらいの速度で動いているのかという信号になって脳に伝えられます。また、体の傾きを感知する場所も内耳にあり、身体が傾くと脳に伝えられるのです。

内耳のリンパ液に異常

この内耳のリンパ液に異常が起きるのが「メニエール病」です。そのメカニズムが全て解明されたわけではありませんが、内耳の中のリンパ液が増えすぎることによって、この病気が起こると考えられています。水ぶくれのような状態で内耳が腫れることで感覚異常が起きます。そして、身体のバランス感覚がおかしくなり、めまいを起こすことになるのです。水が溜まる理由がはっきりとは分かっていませんが、ストレスではないかと言われています。

    

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