ヒザの痛みを和らげる…足スライド運動


変形性膝関節症

外傷以外で膝が痛いという人の多くは変形性膝関節症です。これは長年のヒザへの負荷により、クッションの役割を果たす半月板が傷んだり、関節軟骨が少しずつ擦り減ったりして、ヒザ関節に炎症をおこしているものです。すり減った関節軟骨も、傷んだ半月板も自然には再生してくれません。

炎症と痛みを抑えるには

軟骨自体は神経がないので、すり減っても痛みは感じません。けれども、すり減った軟骨から剥がれた摩耗粉が滑膜(関節を覆う袋の膜)などを刺激して炎症を起こします。そして、その炎症が周囲の細胞に炎症を広めると、痛みなどの症状を招くのです。細胞に炎症を起こしてしまっても、この細胞にある程度の穏やかな力が作用すると、炎症が広がる作用が抑えられることが分かっています。炎症が収まれば痛みの多くは消えるのです。

足スライド運動

その運動として最適なものが、椅子を使った「足スライド運動」です。
まずは椅子に座って、片足ずつゆっくり前後に動かします。1往復が5秒くらいで20往復くらい続けたら、足をかえてまた20往復行ないます。これを3セット行なうと良いでしょう。3セットでも10分ほどの運動です。これを1日2回行なうと、早ければ1週間で痛みが緩和してきます。

太ももストレッチもおススメ

ひざの痛みを和らげるために、太ももの前や裏側を伸ばすストレッチもおススメです。やはり椅子に座って、ゆっくりと片足ずつ水平に上げて、真っ直ぐ伸ばしましょう。続けて20回おこなって、1日に2度行うと良いでしょう。大切なことは、痛みが治まった後も運動やストレッチをやめないことです。ヒザ関節は適度に使い続けることによって機能と維持しやすくなり、痛みが出にくくなります。仕事や家事の合間にも出来る簡単な運動とストレッチなので長く続けましょう。

   

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