知っているようで知らない…「あせも」


「あせも」の原因

汗をかくことによっておきやすくなる「あせも」は、夏の代表的な皮膚のお悩みです。あせもが出来るのは、大量に汗をかいたときに汗が皮膚の中にたまってしまうことが原因です。汗腺は皮膚の真皮の奥深くにあり、そこから汗管という汗の通路がのびて、体の表面にある汗孔と呼ばれる出口に通じています。汗がたまってしまうと、皮膚の下にある汗管の周りの組織に漏れ出して、水ぶくれが生じたり、かゆみを伴うブツブツができたりします。

「あせも」には2種類ある

日本人がよくかかる「あせも」は2種類あります。水晶様汗疹(すいしょうようかんしん)と呼ばれる「あせも」は、皮膚の表面に1〜3mmほどの透明あるいは白っぽい水ぶくれが出来るだけで、赤みや痒みを伴いません。皮膚の表面に近いところに汗がたまるため、症状が軽くて自覚症状も少ないので、気づかないことも珍しくありません。汗をかいたまま放置せず、シャワーで洗い流したり、清潔な濡れタオルで汗を拭きとったりしていれば、自然と治ることが多いです。

やっかいな赤いブツブツ

赤いブツブツができて痒くなる「あせも」は、赤色汗疹(こうしょくかんしん)と呼ばれます。この場合には、スキンケアに加えて、塗り薬による治療を行なう必要があります。抗炎症作用のあるステロイド外用剤を使い、炎症を抑えるとともに、痒みを和らげて掻き壊しを防ぐことが大切です。

子どもがなりやすいのは、なぜ?

あせもは大人よりも子供がよくなるイメージがあります。実際にそうで、大人よりも乳幼児に「あせも」が出来やすいのには理由があります。実は汗腺の数は大人も乳幼児もほぼ同じです。乳幼児の場合は小さな面積に汗腺が密集しているため、たくさん汗をかくのです。乳幼児は汗をかいたら着替えたりするなどが自分でできません。周りの大人が汗をかいた後のケアをよりこまめにする必要があります。

    

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