事前のリスク把握と対処は、今後の議論に…


数々のリスク要因

乳がんのリスク要因として「初潮年齢が早い」「閉経年齢が遅い」「出産歴がない」「初産年齢が遅い」「授乳歴がない」「高身長」などが挙げられます。こうした乳がんになりやすい条件のほとんどは、女性ホルモンとの関係で説明することが出来ます。

女性ホルモンとの関係がポイント

女性ホルモンのひとつ「エストロゲン」は、初潮とともに身体に分泌され始め、月経のたびにエストロゲンを中心としたホルモン周期が始まります。しかし、何らかの原因でホルモンバランスが崩れてエストロゲンが過剰になると、乳腺の上皮細胞が異常に増殖し、乳がんの発生を促してしまいます。つまり、月経がある期間が長ければ長いほど、女性ホルモンが作用している期間が長くなるため、リスクが大きくなると言えます。

かなりのハイリスク:遺伝性乳がん

乳がんの約1割は“遺伝性”と言われています。この遺伝性乳がんは、BRCA1とBRCA2という親から受け継がれた遺伝子の、どちらかの異常によって発症すると考えられています。遺伝性乳がんの特徴としては、40歳未満に発症する、家系内に複数の乳がん患者がいるなどの特徴があります。乳がん患者の1割に過ぎませんが、その人たちの発がんリスクは一般の人に比べて10〜19倍と、かなりハイリスクと言えます。

罹患前の乳房切除が話題に

自分が遺伝性乳がんである可能性を知る方法として、遺伝カウンセリングおよび遺伝子検査があります。カウンセラーに家族の病歴などを伝え、それをもとにリスクや病気に関する情報提供を受けられ、相談の結果、遺伝子検査を勧められることもあります。遺伝性乳がんが疑われると、薬を服用するなどの予防を勧められます。女優のアンジェリーナ・ジョリーさんの公表でよく知られるようになりましたが、海外では乳房の切除をする場合も増えており、今後日本でも議論を呼びそうです。

    

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