アフリカで猛威を振るう 〜エボラ出血熱〜


感染者の血液に触れると危ない

現在アフリカで猛威をふるっている感染症が「エボラ出血熱」です。エボラ出血熱は1976年にアフリカのスーダンで発見されました。1000分の1ミリ程度のエボラウイルスが感染源です。ウイルスに感染した人や動物の血液に触れると、目に見えない傷口から身体の中に入り込み、肝臓などで爆発的に増えて全身に広がります。

出血が命取りに…

今年になって西アフリカにあるリベリアという国の首都で患者が出るなど、人口の多い都市部で感染が広まったため、患者数とそれに伴う死者数が非常に増えています。発症した場合は、その70%の人に吐血や消化器官などからの出血傾向が見られ、それが致死的になります。今のところウイルスに対する治療薬はなく、ワクチンもありません。死亡率は非常に高く、現状は25〜90%となっています。

日本にいれば、まず大丈夫

エボラ出血熱は人から人へ感染するといっても、感染した動物や人の血に触れない限り感染することはありません。ニュースなどで激しい出血に苦しむ人を見て、恐ろしい思いになった人もいるかもしれません。ただきちんと分かっておくべきことは、現在のところは、日本で普通に暮らしている分には、感染する可能性はほぼ無いということです。このエボラ出血熱とデング熱は同じ感染症とはいっても、その感染源も違えば、致死率なども断然違うことはしっかり認識しましょう。

デング熱は…それほど怖くない!

日本で発生しているデング熱は、70年前に20万人もの人が罹患しましたが、戦時中にも関わらず、きちんと終息しています。医療の発達した現代において、きちんと早めに治療すれば、デング熱はそれほど怖い病気ではありません。あまりパニックにならずに、冷静に考えることも大切です。長期的にみれば、今回のデング熱騒動は、日本における蚊による感染症に対する対策を見直すチャンスだとも言えます。

    

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