アルコール 〜消毒剤としての役割〜


ウイルス対策に

嗜好品として飲むアルコール以外に、アルコールの大切な役割は消毒剤としてものです。例えば、インフルエンザウイルスは、アルコール濃度が50%以上あれば死滅すると言われています。アルコール消毒剤は水を使わなくても除菌できるので、とても便利に使えることも利点と言えます。

しっかりこすることが大切

アルコール消毒剤を少しつけただけでは死滅することは出来ません。
「手のひらをこすり合わせる」「指先もしっかりこする」「手の甲も忘れずに」「指の間もしっかり」「仕上げに手首をこする」といった5か所をしっかり消毒することが大切です。最低でも15秒程度はかけてゆっくり行ないましょう。ただし、アルコール消毒し過ぎると手荒れを起こしやすくなります。消毒した後は保湿クリームなどを塗って、ケアを忘れないようにしましょう。

アルコールはどうして効果があるの?

アルコールは次のようないくつかの効果を発揮してウイルスを撃退しています。
1.ウイルスの細胞膜の脂質を溶かし出す
2.ウイルスのタンパク質の構造を変化させて機能を失わせる
3.アルコールは揮発性の高い液体で、細胞内部に入るとすぐに揮発して蒸発する。この時に細胞内部の他の液体も乾燥させてウイルスにダメージを与える

アルコールが効かない…ノロウイルス

アルコールが効かないウイルスもあり、代表的な存在がノロウイルスです。ノロウイルスにアルコール消毒が効かない理由が、先に述べた撃退方法にあります。アルコールはウイルス細胞膜の脂質を溶かすことで、細胞内のウイルスをダメにします。しかし、ノロウイルスはこの細胞膜を元々持っていないウイルスです。もともと細胞膜がなくても存在できるウイルスなので、細胞膜を壊すことでウイルスを壊す働きをするアルコールは、ノロウイルスには効かないのです。ノロウイルスは85度で1分以上の加熱、もしくは次亜塩素酸系での消毒が必要です。

    

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