ツツガムシ病、ライム病って・・・なに?


マダニ感染症は色々・・・

すべてのマダニがSFTSを引き起こすウイルスを保有しているわけではありません。ですから、マダニに刺されたといっても、必ずしもSFTS感染症にかかるわけではありません。SFTS感染症ほど重症化しないものの、マダニによる感染症には、ツツガムシ病、日本紅斑熱、ライム病など色々とあります。

ツツガムシ病

ツツガムシ病は、マダニの一種であるツツガムシに刺されたことによる病気です。ツツガムシの幼虫は小さいので、たとえ感染してもなかなか自分自身に刺された自覚がありません。刺されてから10日から2週間の潜伏期間の後、悪寒をともなう38度以上の高熱、頭痛や筋肉痛が症状として現れます。この状態で放置して治療が遅れると、脳炎や肺炎などの合併症を起こす危険もあります。

日本紅斑熱

日本紅斑熱も、野山に入りマダニに咬まれることによって感染する病気です。潜伏期間は2〜8日と、ツツガムシ病の10日から2週間に比べてやや短いのが特徴です。症状は頭痛・発熱・倦怠感と、ツツガムシ病とほぼ同じであることが分かっています。SFTSと同じく、日本紅斑熱に効くワクチンはないので、とにかくマダニに刺されないようにすることが最大の予防策なのです。

ライム病

ライム病はマダニに刺されてから10日から2週間後に、刺された部位の赤い斑点やぷくっとした腫れが出てきます。発熱や筋肉痛、関節痛、リンパ節腫脹も見られることがあり、これが約4週間続きます。これを放置すると、数カ月から数年にわたり慢性の皮膚症状や慢性の髄膜炎などになる場合があります。ライム病の場合は、ほとんどの患者さんが「マダニに刺された」という自覚があるので、必ず医療機関を受診して、マダニの一部が皮膚に残っていないか見てもらいましょう。

    

マガジン表紙へ