咬まれると死ぬ?! マダニ感染症の恐怖
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「ダニで人が死ぬ!」…そんな恐ろしいことを聞いたことがありますか?実はダニに刺されることで、あるウイルスが身体に入り込んで、昨年だけでも40人が発症して、そのうちの13人が死に至っています。しかも、国立感染症研究所によると、このウイルスを保有したダニは全国で確認されています。
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そのウイルスがSFTSウイルスで、「重症熱性血小板減少症候群」を英語で表現した場合の頭文字をとった言葉です。現在では略して「ダニ感染症」と呼ぶ場合があります。SFTSのウイルスは2008年に初めて中国で特定されましたが、日本にいるウイルスは中国のものとは遺伝子型が異なり、もともと日本に存在していたと考えられています。そのウイルスを保有しているのがマダニで、シカ・イノシシ・タヌキ・ネズミなどの野生動物のいる森林や野山に潜んでいます。
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ダニには大きく分けて2タイプあります。そのひとつはコダニ類で、屋内に生息してアレルギーの原因になる、いわゆる家ダニです。そして、もうひとつがマダニ類で、こちらのダニが刺されると命も危ぶまれる危険なダニなのです。マダニは主に野ネズミや小鳥などの小動物から吸血して、幼虫から成虫へと脱皮していきます。そしてメスの成虫は産卵のために、より大きなウサギやシカなどの動物に寄生して吸血します。ウイルスはマダニの体内に潜み、マダニが吸血したときに動物の体内にウイルスが入るのです。
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ネズミやタヌキなどの野生動物はウイルスに襲われてもほとんど症状が出ないのですが、人間は違います。咬まれてから1〜2週間程度の潜伏期間を経て、38度以上の発熱、下痢などの消化器異常が現れます。血を止めるために必要な血小板が減少するので、出血しやすくなり、血尿がでる場合もあります。重症化すると意識障害や呼吸不全などの症状をともない、死に至る危険があるのです。
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