夏は…皮膚にダメージを与えやすい季節


冬の乾燥は大敵

皮膚の悩みやトラブルというと冬のイメージが強いかもしれません。たしかに、冬場は気温が低く空気が乾燥して、寒風に晒されるため皮膚の働きが弱くなります。その結果、皮脂腺や汗腺の働きが低下して、乾燥によるカサカサやかゆみが生じたり、あかぎれなどが起こりやすくなります。

実は、夏にも乾燥

しかし夏場でも、皮膚の乾燥に注意しなければなりません。その原因が大量にかく汗なのです。特に、暑い外から冷房のきいた室内に入ったときが良くありません。汗が冷えて蒸発するときに、肌のうるおいも一緒に奪われてしまいます。どんどん水分が蒸発した肌は、その内側が乾燥してカラカラになっています。そして、水分の蒸発をストップさせるために皮脂分泌が過剰になり、べたつきやすい肌になり、ニキビや吹き出物ができやすくなるのです。

細菌の繁殖や紫外線の影響も

夏場の皮膚は高温多湿の環境によって、細菌やカビが繁殖しやすくなります。代表的な細菌が、例えば黄色ブドウ球菌です。子供に感染すると「とびひ」となり、大人に感染すると「おでき」となることが多いです。もちろん強い紫外線にも注意です。強い紫外線によって皮膚が炎症を起こし、ピリピリ痛むなども起こりがちです。また紫外線の刺激によって、アトピー性皮膚炎も悪化しやすいと言われています。

水虫かと思っても・・・

そして注意したいのが、「水虫」と自己診断してしまうケースです。足の皮がむけたり、水ぶくれができて痒みがあると、水虫だと思う人が多いでしょう。しかし、「水虫ができた」と言って皮膚科を受診する人のうち、3分の1は別の皮膚病だったとの調査があります。手や足にできる皮膚炎は、水虫とよく似た症状のものが多く、症状だけでは皮膚科の専門医でさえ診断は難しいものなのです。水虫でないものに水虫の薬を塗ると、かえって悪化させることもあります。勝手に判断せずに、早めに顕微鏡検査の出来る皮膚科専門医を受診しましょう。

    

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