PM2.5は、なぜ騒がれるの?


物質の大きさが小さい

最近よく聞かれるようになった「PM2.5」は、なぜ問題なのでしょうか?
それは何よりも、物質の大きさが小さいからなのです。PM2.5とは、粒子の大きさが2.5μm(マイクロメートル)程度ということ。これに比べて、例えば花粉は10〜100μmとかなり大きくなります。こうした程度の大きさでは、異物はだいたい鼻でひっかかり、そのため鼻炎という症状が出ますが、それより奥の気管にはあまり入り込んでいかないで済んでいるのです。

小さいと…奥に入り込む

花粉よりもずっと小さい粒子が黄砂やPM2.5なのです。日本に多くやってくる黄砂の大きさは約4μmと言われています。この大きさになると鼻やノドなどの上気道より下にある、下気道である気管や気管支に容易に入り込んでいってしまいます。もちろん、異物の除去システムは働きますが、防御反応の限界を超えるような量を取り入れてしまうと、しだいに粘膜の細胞が破壊されて、繊毛の退化や粘液の分泌に異常がみられるようになります。すると、気管支に炎症や異常が起こる、気管支炎や気管支喘息を引き起こすことになるのです。

肺胞に入ると、さらに大変

さらに問題になるのが、肺胞に有害物質が入り込んでしまう場合です。「肺胞」は酸素と二酸化炭素の交換を行なう、気管支の一番奥にある袋状の組織です。肺胞は左右合わせて3〜5億個もあり、肺胞の表面には毛細血管網が張り巡らされています。この毛細血管の中を流れる赤血球と、肺胞の中の空気との間で酸素と二酸化炭素が交換されるのです。

肺疾患や血液障害の器官も

有害物質が肺胞に入り続けると、肺そのものを傷めることになり、肺炎や肺ガンの危険因子になることも考えられます。さらに、肺胞から血管に入り込み、心筋梗塞や脳卒中などの血管障害を起こしやすい可能性も指摘されているのです。

    

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