若い男性だけでなく女性も注意!〜気胸〜
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胸が痛くなった場合には、まず心臓病を疑う人が多いでしょうが、若い男性の場合は、一番可能性があるのは、肺に穴が開いて胸に痛みを感じる気胸です。成長過程で肺と体の発育バランスが崩れ、ブラと呼ばれる風船のような病変が破裂するのが原因です。20代前後の背の高いやせ型の男性に多く起き、年間1万人以上が手術を受けています。
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気胸かどうかはレントゲンを撮るとすぐに分かります。肺の縮み具合が鎖骨にかかるくらいの軽度の場合、逆流防止機能のある携帯用チューブを肋骨の間から刺して漏れた空気を抜き、自宅療養で経過を観察します。穴が自然に閉じて空気漏れが収まれば、手術はしなくて済みます。一方、出血があったり漏れた空気が他の臓器を圧迫していたりする重症の場合は手術をすることになります。
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日常生活でストレスをためないことが大切です。学生は入試や定期試験を控えている時期が要注意です。社会人では、夜勤が続いたり転勤で環境が変わったりして、疲れがたまった時に気をつけましょう。また、台風などの低血圧時も患者が増える傾向にあります。ちなみに、気胸を経験した人は気圧が大きく変わる場面、例えばダイビングや登山などは避けた方が良いと言われています。
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男性がなることが多い「気胸」ですが、もちろん女性もなります。男性と同じように自然気胸である場合も多いですが、意外なところから起きている場合もあります。30代前後で胸の痛みや息苦しさを繰り返す場合、子宮内膜症が原因で起こる「月経随伴性気胸」の可能性があるのです。本来は子宮にある内膜が、血液を介するなどして胸腔や肺の中で増殖し、内膜の組織が月経時に出血し肺の一部が破れるのです。症状は一般的な気胸と同じですが、右胸に起こりやすく、月経と似た周期で繰り返し発症するのが特徴です。
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