コレステ値…低くても安心できない!


低ければ良いの?

コレステロールの問題点と聞くと、高すぎかどうかについてだと多くの人が考えるに違いありません。そして、コレステロール値は、低ければ低いほどよいと思いがちですが、実はそんなことはありません。例えば、総コレステロール値と死亡率の関係を調査したところ、意外な結果が出ました。

ちょっと高めのコレステ値が一番長生き

この調査において一番死亡率が低かったのは、総コレステロール値が240以上280未満の人たちだったのです。高脂血症の基準は、総コレステロール220以上なので、240という値は高脂血症と診断される値です。一方、コレステロール値160以下の人たちは、総コレステロール280以上という相当な高脂血症の人たちと同じくらい高い死亡率だったのです。

低いと心の病を引き起こすことも

コレステロールが低いことが、心の病の一因になってしまうこともあります。コレステロール低下と不安定な精神状態との因果関係については、様々な研究結果が出されています。血中コレステロール値が低いと抑うつ状態の出現頻度が高くなるという結果があります。学校でトラブルを起こし退学する生徒には、低コレステロールの子供が多いことが、アメリカの統計で指摘されています。また、コレステロール値が低い群に自殺・他殺・事故死が多いといった調査結果もあるようです。

身体の大切な原材料

あまりに神経質にコレステロールを嫌うのは、実は健康に逆効果です。コレステロールは私たちにとって、とても大切な物質といえます。人間の身体が機能するためには、多くの酵素やホルモンが必要なのです。酵素やホルモンの多くはタンパク質を原材料として身体の中でつくられますが、ホルモンの中でも重要な性ホルモンはコレステロールが原材料になっています。また、病気に対する抵抗力に関係する副腎皮質ホルモンも、コレステロールから合成されているのです。

   

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