冬でも・・・食中毒にご用心!


冬に増えるノロウイルス

食中毒というと、梅雨のジメジメした時期から夏にかけてのことだけだと思いがちですが、実は冬にもかなりの数の食中毒患者がでています。その主な原因がノロウイルスと呼ばれるもの。毎年10月ころから2月までをピークに全国的に流行します。

嘔吐と下痢がひどい!

ノロウイルスに感染すると、だいたい24時間から48時間くらいで発症します。それほど熱は出ませんが、吐き気やおう吐、腹痛や下痢などの症状がでて、これらの強い症状が1〜2日ほど続き、徐々に回復していきます。症状が強い場合は、脱水症状になるなど大変危険な場合もあるので、病院で診てもらう方がよいでしょう。また、高齢者や幼児など体力が弱い人の場合も危険が高くなるので、周りの人が注意してあげましょう。

古いウイルスのわりに・・・

ノロウイルスは1972年に米国で発見され、直径0.03ミリメートルという小型ウイルスのため、「小型球形ウイルス」と呼ばれていました。その後2002年に、最初に患者がでた米国の町の名前をとって「ノロウイルス」と名付けられました。
発見されてからすでに40年近くたっているのですが、培養も動物感染実験もできないウイルスという弱点があります。そのため不明なことが多く、ウイルスの増殖を抑える薬は今のところありません

ノロウイルスにかかってしまったら・・・

ウイルスを早く追い出して脱水症状を予防するために、水分をたくさん摂るようにしましょう。薬は、吐き気を抑える薬や、胃腸を整える薬、下痢止めなどの対症療法しかありませんが、苦しみを和らげるには効果があるでしょう。ただし、下痢止めの服用はよく考えましょう。感染初期の段階では、ウイルスを排泄させた方が良い場合もあるからです。

   

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