実は子どもの時が大切…ロコモ予防


ロコモは高齢者だけの問題ではない

ロコモは高齢者に多くみられるものです。しかし、年齢を重ねてからの問題ではなく、実は子どもの頃の運動習慣と密接に関わっていると考えられ始めています。子どもの頃に運動器の障害があると、将来的にロコモティブシンドロームへつながる可能性が高まるので、注意が必要です。

運動に対して両極端な子供たち

小中学生を調べたところ、骨や関節などに痛みを抱えている子どもが約11%もいることが分かりました。子どもの運動器に障害が起こる原因には「運動しすぎ」と「運動不足」があります。子どもの運動に関する現状として、全く運動しない子どもが多い一方、15時間以上運動する子どもも多数います。運動時間が二極化しているのです。

運動する子に対しての注意

運動は身体に良いことですが、子どもの運動器は未発達なので、過度の運動や間違った運動方法により、スポーツ障害と呼ばれる慢性的疾患を引き起こす可能性があります。スポーツ障害が悪化すると、スポーツを辞めざるを得ないこともあります。更に、大人になっても痛みが残ってロコモにつながることもあり得ます。痛みが出た場合は運動を一時中断して、専門医を受診して早期に対処しましょう。
1つのスポーツに打ち込みすぎると、特定の関節や筋肉だけを遣いすぎるため、スポーツ障害のリスクが高まります。体力をつけたり、バランス感覚を養うため、小学生の時はさまざまな運動を経験させましょう。

運動をあまりしない子には

その一方で、全く運動しない子も多くいます。子どもの頃の運動不足で基本的な運動能力が低下していると、大人になっても運動不足になりやすく、ロコモに結びつきやすくなります。まずは、身体を動かすことを楽しいと感じてもらうことが大切です。そのような体験ができる場を大人が積極的に作ってあげるとよいでしょう。

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