不眠と生活習慣病の深い関係とは?


生活習慣病の人は不眠の割合が高い

生活習慣病と不眠とは、密接に関係しています。糖尿病・高血圧・高脂血症がない人のうち、不眠の経験があるのは約25%に過ぎませんが、生活習慣病がある人では45%にもなります。生活習慣病と不眠は相互に影響し合って、両方の症状を悪化させるのです。

不眠割合の高い糖尿病患者

糖尿病のある人が不眠に悩む割合は、糖尿病でない人の2倍以上にもなります。第一に、就寝や食事の時間が不規則など、不眠を起こしやすい共通した生活パターンがあるのが理由です。また、糖尿病の症状である喉の渇きや発汗異常などで、寝つきにくくなったり、睡眠中に目覚めやすくなったりすることもあるようです。

不眠は血糖値を上げる

不眠はそれ自体がストレスになり、ストレスがかかると、人はストレスホルモンや神経を興奮させる神経伝達物質を多く分泌し、これらの物質が血糖値を上げるように働いてしまうのです。健康な若い人を対象にした実験で睡眠時間を4時間に制限したところ、それだけで血糖値が上がるという結果が出ています。こうして、糖尿病の症状→不眠→更なる血糖値上昇→糖尿病悪化という悪循環に陥るのです。

不眠は血圧も上げる

睡眠時間が短いと血圧が上昇し心拍数が増加するという、不眠と高血圧との深い関係も指摘されています。健康な人では睡眠中に血圧が約10%下がるのですが、不眠がある人はストレスホルモンが分泌され、交感神経が興奮して血圧が上昇します。通常、夜間は副交感神経が優位に働くのですが、不眠があると交感神経が昼間からずっと優位なままで、就寝中でも血圧が下がらず、高血圧を悪化させてしまうのです。

    

マガジン表紙へ