肥満が引き起こす〜睡眠時無呼吸症候群〜


睡眠時無呼吸症候群とは?

「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」は、夜中に何度も呼吸が止まった状態が繰り返される病気のこと。定義では、一晩の睡眠で10秒以上の呼吸停止30回以上、又は1時間に5回以上の無呼吸が起こる状態です。睡眠中に空気の通り道である気道が閉塞してしまうことで発生します。

こんな人がなりやすい

SASは推定200〜500万人が発症していると言われています。男性で太っている人がなりやすいとされていますが、必ずしもそうではありません。顎が小さい・首が短いといった体型も気道が狭まりやすく、特にアジア人は骨格的にこうした人が多く、同じ体型ならば欧米人よりアジア人の方がなりやすいと言われています。

生活習慣病を併発しやすい

軽症のうちの解消法は、横向けの姿勢で寝るように心がけ、睡眠中に気道が塞がりにくくすることです。SASが怖いのは、睡眠中の呼吸停止によって酸素不足になり、血液がドロドロになって血栓を作りやすく、高血圧・糖尿病・心疾患などの生活習慣病を併発しやすくなることです。

事故の危険が高くなる

さらに怖いのは、日中の強烈な眠気による事故です。作業効率や集中力の低下により、交通事故や労働災害を起こしやすく、SASの人が交通事故を起こす確率は7倍にも上るという報告もあるほどなのです。
運送業界においてはドライバー全員にSASの定期検診が必要であると専門家は指摘していますが、検査にかなりの費用と手間がかかるため、導入する会社は少ないようです。たとえ会社が導入しても、SASと診断されると職場を追われるのではないかとの不安で、任意の検診では受けたがらない従業員が多いという側面もあるようです。

   

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