代表的な病気 ≪バセドウ病と橋本病≫


≪バセドウ病≫

甲状腺機能亢進症の代表的な病気がバセドウ病です。甲状腺臓器の特異性な自己免疫疾患のひとつで、1000人中2〜6人いると言われており、女性患者が男性より5倍多いのも特徴です。

新陳代謝が活発になりすぎ、常にジョギングしているような状態で、脈拍がはやく、汗が多く、暑がりで疲れやすくなるといった症状があらわれます。精神的には落ち着きがなく、イライラ感や不眠になったりします。

目が出てくる眼球突出はバセドウ病の代表的な症状と言われますが、実際に眼球突出をきたす割合は3割程度に過ぎません。
その他、分かりやすい症状は甲状腺の腫れです。甲状腺が腫れて大きくなっていると、首が太くなってきて甲状腺の腫れに気がつきます。しかし、自分の顔は毎日鏡で見ているのに、その下の首はかなり肥大しても気づかないことがあります。

バセドウ病は、甲状腺ホルモンの合成を抑える「抗甲状腺薬」を服用することが第一選択です。他に、薬があまり聞かない人向けに、アイソトープ入りのカプセルを服用する放射線ヨード法があります。さらに手術をする場合もあります。

≪橋本病≫

甲状腺機能低下症の代表が橋本病です。甲状腺に慢性的な炎症が起き、細胞が傷ついて壊れていき、甲状腺ホルモン量が徐々に減っていく病気です。新陳代謝が低下して、全てが老けていくような症状が見られます。

初期はほとんど症状がなく、首の腫れだけがあります。腫れの表面はゴツゴツとしていて、硬く、時にはしこりとなっています。

橋本病では、足りない甲状腺ホルモンを「甲状腺ホルモン剤」で補います。この薬の主成分は、体内で作られるものと同じで、指示通りに飲めば副作用はありません。ただし服用量は人それぞれ違うので、医師にきちんと処方してもらいましょう。

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