インフルエンザで注目 ワクチンの実態とは


日本は「ワクチン後進国」

インフルエンザで話題になったワクチン。実は日本は、ワクチンに関しては後進国です。「先進諸国で広く使われているワクチンが日本では手に入らず、そのワクチンギャップは20年」と言われています。また、近年には若者の間で麻疹(はしか)が流行しました。麻疹は脳炎を引き起こすと、致死率15%、治っても20〜40%に重い後遺症が残る深刻な病気です。こうした麻疹に対しても予防接種が徹底されない日本に対し、世界から「感染症の輸出国」と揶揄されています。

多い任意接種 それすら出来ないものも

水ぼうそう(水痘)やおたふくかぜなどは、未だに任意接種です。WHOが接種を推奨しているヒブ(Hib)ワクチンと小児用肺炎球菌の対応も遅れています。ヒブワクチンは、やっと2008年から任意接種できるようになりましたが、それまでは日本で手に入らないものでした。肺炎球菌は、未だに任意接種すらできない状況です。

※ワクチンの種類

ワクチンは大きく分けて、「生ワクチン」と「不活化(ふかつか)ワクチン」があります。

生ワクチン
生きているウイルスや細菌の毒性を弱めてつくったワクチン。ウイルスや細菌が体内で増殖するので、接種後しばらくしてから発熱や発疹など、その病気の症状が軽く出てくることがあります。次に違う種類のワクチンを接種する場合は27日以上間隔をあける必要があります。
  主なワクチン:麻疹風疹ワクチン(MR)・おたふくかぜ・ポリオ・BCG・水痘など

不活化ワクチン
ホルマリンや紫外線などで処理をし、感染力や毒力をなくした病原体ないし、その成分で作ったワクチン。生ワクチンのように体内で増殖しないので、1回だけでは必要な免疫を獲得・維持できないので、数回の接種が必要です。
  主なワクチン:日本脳炎・DTP三種混合・インフルエンザなど

   

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