新型は…5歳以上でも“脳症”に注意
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インフルエンザ脳症とは、インフルエンザ感染を契機に起こる急性脳症のことです。毎年流行する季節性インフルエンザでは、確認されているだけでも国内で年間100〜130人の脳症患者が発生しています。1〜3歳の乳幼児を中心に、5歳くらいまでの小児に多く見られます。
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脳症の致死率は、かつては30%に達していました。ステロイド投与などの新しい治療法が登場して、近年では8〜9%に改善していますが、それでも高い致死率です。また、4人に1人に体のマヒや知的障害などの後遺症が残ります。熱が出始めて1〜2日目の発症初期に起こりやすく、急速に進行します。前兆を見逃さずに、なるべく早く医療機関を受診することが大切です。
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新型インフルエンザでは、季節性インフルエンザより高い年齢層である、5〜14歳の人にも症例が見られます。理由はまだ判明していませんが、ウイルスに初めて感染した人が脳症になりやすいのではないかと考えられています。季節性では発症することのない中学生などにも、脳症が起こりうる可能性もあるのです。
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脳症の発症メカニズムは解明されていない点が多いので、未然に防ぐことはなかなか難しいと言えます。大切なのは早めに脳症の前兆に気がつくことです。次の3点が主なものですので、そうした場合には早急に医療機関を受診しましょう。
意識障害 |
眠ったようになり、呼びかけや痛みに反応しない |
けいれん |
筋肉のこわばりやガクガクとした動き。10分近く続くようなら注意 |
異常言動 |
幻覚を訴えたり、意味不明の言葉を発したりする |
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