ワクチンは救世主になり得るか?


ワクチンは新型が発生してから

発生した新型インフルエンザに本当に効くワクチン(パンデミックワクチン)は、実際に新型インフルエンザが発生した後でないと製造できません。その製造には、早くても数か月かかると言われています。(研究者によっては、数年かかると主張する人もいます。)新型インフルエンザの発生から大流行までは、実際1か月間しかないと予想されますので、到底間に合わないのです。

予防ワクチンの備蓄

新型インフルエンザ発生前に準備されているのが、予防ワクチン(プレパンデミックワクチン)です。すでに発生している鳥インフルエンザでワクチンをつくり、備蓄しておこうというのです。パンデミックワクチンが供給されるまでの間、重症化を阻止するために使用するのです。

2000万人分では足りない

日本は、この予防ワクチンを、(2008年夏現在)2000万人分を備蓄しています。ただし、厚生労働省のガイドラインでは、医療従事者や国会議員から打っていくという優先順位があります。医療従事者だけでも1300万人いると言われ、その他ライフラインや行政の従事者数などを考えると、この程度の備蓄では一般には回ってこないのではないか?と言われています。

政府や行政は準備不足

また、実際に感染してしまった場合に使用するのが、抗ウイルス薬タミフルで、(2008年夏現在)備蓄量は2500万人分と言われます。強毒型の場合、通常の3〜4倍の投与が必要で、実際は700万人分しかなく、これでは到底足りないと言わざるを得ません。 “新型インフルエンザ先進国”と言われるスイスでは、予防ワクチンやタミフルは、全国民分備蓄されています。日本の政府や行政は、かなり準備不足なのです。

    

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