鉄だけ摂ってもダメ!〜鉄を補う栄養素


鉄欠乏性貧血を改善するには、鉄分だけ摂っていてもダメな場合があります。鉄分を補完する栄養素やミネラルも、きちんと摂るようにしましょう。

【タンパク質】

十分なタンパク質が摂れていないと、赤血球の生産能力低下につながります。タンパク質が多く含まれる肉や魚には鉄分も多く含まれますので、肉や魚を摂っていないと鉄分も不足し、鉄とタンパク質の二重で貧血の原因になってしまいます。

【銅】

鉄が十分にあっても銅がないと、貧血になる可能性もあります。消化管から吸収された鉄は、そのままではヘモグロビンの合成に利用できません。銅が不足すると鉄の吸収量が低下して、ヘモグロビンの数が減少し、貧血の原因となるのです。

【モリブデン】

あまり聞きなれない物質名かもしれませんが、モリブデンもカルシウムや鉄と同じように、必須ミネラルの1つです。鉄の利用を高めて貧血を予防する働きがあります。ただし摂りすぎると、体内の銅の代謝を活発にし過ぎて銅を不足させ、逆に貧血の原因になりかねません。ただし、実際の食生活で不足の心配はなく、過剰症についても食事でとる限りは心配いりません。

過激なダイエットに注意

銅やモリブデンなどは色々な食品に含まれているため、通常の食事を摂っていれば不足することはあまりありません。ただし、過激なダイエットをしていると不足を起こすこともあり得ます。タンパク質にも同様のことがいえます。「鉄やビタミンなどはサプリメントで摂っているから大丈夫」と言って、無理な食事制限をしてダイエットをしていると、こうした微量ミネラルが足りなくなることもありますので、注意しましょう。

    

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