塩で血圧が上がるのは…なぜ?
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塩(ナトリウム)は本来、人間に欠かすことの出来ない大切なミネラルです。細胞の浸透圧を維持し、細胞内外の物質交換、水分調節などに働くほか、神経や筋肉の働きを調整したり、消化液の分泌を促進するなど、たくさんの重要な働きをしています。
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しかし、私たちが“塩分”と聞くと、たいてい「摂りすぎると高血圧になりやすい」ということを思い浮かべます。なぜ“塩”が“高血圧の原因”になるのでしょうか?
塩分の多いものを食べ続けると、血液中のナトリウムが増えます。体内の塩分濃度は決まっているので、塩分が多くなると、濃度を薄めようと、細胞から水が浸透して水分量も増えます。余分な塩分と水分をとると、体液(血液)が増え、血液量が増えると、血液を送り出す圧力が高まり、血圧が上がるのです。
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さらに、冷房などにより汗をかかなくなっていることが、これに拍車をかけます。本来人間には、尿や汗によって余分なナトリウムを体外に出し、体内のナトリウム量を調節する仕組みが備わっています。ところが、汗をかくことが少なくなると、汗による塩分調節を体がうまく出来ないのです。塩分が排出されることなく過剰になり、高血圧の原因になるのです。
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ただし、必ずしも高血圧の原因は食塩だけではありません。人によって、塩分に対して血圧が敏感に反応するタイプ(食塩感受性)と、反応しないタイプ(食塩非感受性)に分かれます。これは主として、腎臓のナトリウム排泄機能と密接に関係していて、食塩感受性の人は、腎臓からのナトリウム排泄機能が弱いのではないかといわれています。高血圧になった人の6割は「非感受性」で、こうしたタイプの人は、いくら塩分を減らしても、それだけでは高血圧を好転させることは出来ません。
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