感染者200万! 他人事でない薬害肝炎
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肝硬変や肝臓ガンなど肝臓病というと、原因としてアルコールを思い浮かべがちですが、原因の8割はウイルス性肝炎です。肝臓ガンの背景にある肝臓病の97%は、B型かC型の肝炎だと言われています。ウイルス性肝炎はA型からG型まで色々ありますが、日本で見つかるのはA型・B型・C型・E型です。
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薬害問題となっているC型肝炎は約200万人の感染者がいると推定され、半数の100万人以上が、自分がC型肝炎にかかっていることに気づいていないと言われています。感染者の多くは、C型肝炎ウイルスが発見される前の輸血や血液製剤、あるいは注射針の使い回しなどで感染したものと考えられています。C型薬害肝炎問題は他人事ではないのです。
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C型肝炎は感染者の80%が慢性肝炎になり、その後は肝臓組織の繊維化度に応じて病気が進み、放置すれば最終的に肝臓ガンになる確率が高いのです。繊維化の度合で次のようにステージ分けされています。
F1(軽度の慢性肝炎) |
放置していると約10年でF2へ |
F2(中等度の慢性肝炎) |
適切に治療しなければ約7年でF3へ |
F3(進行した慢性肝炎) |
治療を怠っていると約7年でF4へ |
F4(肝硬変) |
治療しないと約10年で肝臓ガンに |
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◎A型肝炎
海外での感染が主で、感染者の90%は慢性肝炎に移行せず、自然治癒か適切な治療で治ります。A型肝炎多発地域への旅行はワクチン接種予防が有効です。
◎B型肝炎
以前は母子感染による慢性化が問題でしたが、現在は予防法が確立されています。ただし、性交渉による感染の防止が課題として残されています。
◎E型肝炎
経口感染で、肉の生食などにより感染することが多いとされています。日本での感染例は少なく、慢性化することはありません。
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