メタボ 世界の動き:ダイエットより手術?


ますます増える世界の肥満人口

肥満が健康や医療を脅かすといわれて久しいですが、世界の肥満人口はますます増えています。約60億人のうち、16億人が過体重(BMI 25以上)で、4億人以上が肥満(BMI 30以上)となっています。2015年までに、なんと23億人が過体重になり、7億人以上が肥満になると予測されているのです。

「フィットネス担当相」誕生

世界の肥満大国では、深刻化する肥満問題への対処に苦慮しています。例えば、2010年までに成人男性の33%が肥満になると予測されているイギリスでは、国家レベルで対応に追われています。2006年に特命ポスト「フィットネス担当相」が作られたほどです。ロンドン五輪が開催される2012年をめどに、国民の間に健康的な食生活や身体活動を普及させることを目指し、「新フィットネス戦略」が作成されています。

ダイエットより手術?

肥満割合が3割を超えるという世界一の肥満大国アメリカでは、若年層の肥満(BMI 30以上)増加が問題になっています。こうした若者の間で手術による肥満治療が最近増えているのです。減量のために地道にダイエットしたり、生活習慣を改善したりすることより、簡単に痩せられる外科手術を受ける若者が増えてしまっているのです。

安全性を巡る議論も・・・

代表的な手術が胃のバイパス手術で、胃の入り口の方に小さな胃の小袋をつくり、そこから小腸につなげてしまう方法をとります。要は、胃の大きさを小さくしてしまい、食事摂取量を強制的に減らしてしまう方法です。術後1年間で平均50キロ減量できると言われています。ただし、術後も栄養補助剤を飲み続ける必要がありますし、安全性を巡る議論も起こっているなど、様々な問題があるのです。

 


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