不眠症かと思ったら・・・実はうつ病?


不眠症の人は、うつ病率が高い

不眠症を治そうと睡眠外来などを受診すると、じつは「うつ病」だったという人が多くなっています。ある調査では、不眠症がないグループにはうつ病を含む精神症状のある人が16%だったのに対して、不眠症があるグループではうつ病が約40%だったというデータもあります。

不眠は初期のうつ症状

うつ病は精神疾患ですが、気分の落ち込みや物事への関心の低下といった気持ちの面の症状だけではなく、うつ病の人はほぼ全員が不眠の症状を伴います。不眠はうつ病の初期症状サインの1つなのです。軽いうつ病では「憂うつな気分」などの精神症状が現れず、不眠や全身倦怠感などの肉体的症状だけの場合が多いのです。こうした時期にうつ病に気づかず見逃してしまうと、うつ病が悪化してしまう危険があるのです。

不眠にもタイプ色々・・・

従来うつ病に特徴的な不眠症状は、早朝に目覚めてしまい、それ以降眠れなくなってしまう早朝覚醒が特徴的と言われてきました。しかし、軽症うつや初期うつ病の場合には、必ずしもそのタイプだけとは限りません。眠ろうとしてもなかなか寝付けない入眠障害のタイプや、入眠しても夜中に何度も目が覚めてしまう中途覚醒タイプなども含まれます。

睡眠による休養感もポイント

質の良い睡眠が取れているかも大切なポイントになります。睡眠による休養感があるほどうつ状態の傾向は低く、休養感が無いほどうつ状態の傾向は高いという実験結果があり、睡眠による休養感とうつ状態の程度には強い関連性があるのです。良い睡眠が取れていれば、一晩眠ることで憂うつやイライラなどの気分の悪さを軽減できますが、睡眠で休養を取れた実感がないと、一晩たっても憂うつ感が取れず、継続的な憂うつ感になりやすいのです。

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