腎移植 ついに売買公認の国も!


病気腎移植は原則認めず

病気腎移植が行なわれていたことで話題になり、様々な議論がされている「腎移植」。厚労省の審議会の指針案では病気腎移植は原則認めずという結論が出されました。しかし、禁止を決定しただけでは済まない問題が含まれています。臓器の提供数が絶対的に不足しているからです。

ドナーが絶対的に足りない

日本臓器移植ネットワークは、パソコンや携帯電話を使ったインターネットでの臓器提供者(ドナー)登録を始めるなど、ドナーを増やす様々な努力をしています。しかし、ネットワークに登録して腎臓移植を希望する患者は約12000人もいますが、実施される移植数は、生体移植と心停止後の移植を含めても1年間に1000件ほどしかありません。

横行する臓器売買

ドナー数が絶対的に足りないといった状況において、日本国内でも金銭を介在した臓器移植、つまり臓器売買が疑われるケースが出てきて問題になっています。こうした闇の臓器売買は、日本以外のアジア、中国やフィリピンといった国々において、数多く行なわれているのが実情です。こうした状況の中、フィリピン政府は、移植を前提とした腎臓売買を事実上公認する方向で動き出しました。

フィリピン政府が腎臓売買公認へ

フィリピン政府が腎臓売買の実質公認に踏み出したのは、国内の貧困と闇売買の横行という悲惨な現実が背景にあります。ドナーが闇取引で腎臓を買いたたかれた上に、身体を壊すといった悲劇を防ごうという狙いです。日本の法律では、海外で臓器を購入した日本人も処罰の対象にされていますが、フィリピンでの新制度が施行されれば、日本人患者が押しかける事態も予想されます。

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