メタボ 妊婦の痩せが子供の肥満に!?


子供の肥満は生まれる前に決まる?

子供の肥満は、この30年で5割増となっています。その原因として挙げられるのは、食生活の乱れや運動不足ですが、実はもっと前に根本的な原因があるかもしれません。お母さんのお腹の中にいる間に、その子供の肥満傾向が決まってしまうこともあるのです。

妊婦の「痩せ」は問題

妊婦が「痩せ」のままだったり、ダイエットをしたりして、胎児に栄養不足が続くと、胎児は栄養を効率よく使おうとする体質に、つまり少ない栄養でも生きていけるように変化するのです。また、栄養不足が続くと筋肉の元になる細胞が増えないといったことも起こります。すると、生まれた後に、食事で脂肪をため込みやすい体質になってしまうのです。結果、肥満になりやすく、生活習慣病を起こしやすくなるのです。

低体重児は疾患リスクが高い

やせ過ぎの20代女性の比率は約20%と、20年前に比べ5割増となっています。この増加率は、期せずして子供の肥満率と同じになっているのです。妊婦の体重が増えなければ、低体重児は生まれやすくなるので、妊婦の「やせ」の増加は、低体重児の増加につながります。低体重児は、生活習慣病になりやすくなるだけでなく、他にも問題がでてきます。例えば、2300g以下で生まれた子供が心疾患を発症するリスクは、標準体重の子供の1.5倍と言われています。

一方、妊婦の糖尿病も増加

もちろん、体重が増えればいいというわけではありません。「やせ」の妊婦が問題になる一方、糖尿病にかかっている妊婦の割合が増えているのです。妊娠初期に血糖値が高いと、生まれてくる赤ちゃんの心臓などで先天異常が起きる割合が通常より高くなります。肥満でなくても、妊娠中は体質的に血糖が上昇しやすく、妊娠して初めて軽めの糖尿病(糖代謝異常)を発症する人もいます。

 


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