心の病〜魚の油が躁うつ病に効果的


魚をよく食べる国ほど、うつ病発生率が低い

魚をよく食べる文化のある国ほど、うつ病の発生率が低いそうです。こうしたことから、躁うつ病患者に対する魚油の効果を検証する実験が行なわれ、その結果、魚油の効果がはっきりと示されました。魚油を服用したグループの人たちへの効果が余りに顕著で、「偽薬を服用している(魚油を服用していない)グループにも早く魚油を与えて治療した方がいい」と判断され、実験期間が当初の9ヶ月間から4ヶ月間に短縮されたほどなのです。

躁うつ病対策にはビタミンB群

ビタミンB群は、脳で働く酵素の助っ人の役割を果たします。ですから、躁うつ病対策にビタミンB群は欠かせません。実に、躁うつ病者の80%にビタミンB群不足が見られるのです。しかし、ビタミンB群だけ摂っても役に立たず、B群を脳の神経細胞の中に取り込ませる物質が必要で、それが魚油なのです。

ビタミンB群を活かすには魚油が必要

脳の神経細胞の受容体は、流れてくる物質(ビタミンB群など)を捕らえる瞬間に、その物質と同じ形にならないと物質をキャッチ出来ません。そのためには受容体の表面膜を軟らかくしておき、キャッチの瞬間にうまく形を変える必要があります。魚油ならば軟らかいので、脳神経細胞の受容体がB群などの必要物質をスムーズにキャッチ出来ます。ブタや牛の脂では硬すぎてダメなのです。

より効果が高いのはDHA

ちなみに、魚油としてDHA(ドコサヘキサエン酸)とEPA(エイコサペンタエン酸)があります。どちらも脳の神経細胞の膜や伝達物質の受容体の膜の成分ですが、サプリメントとして摂取した場合の抗うつ効果は、DHAの方がEPAよりも高くなっています。DHAの方がEPAよりも脳の関所である血液−脳関門を楽に通過できることが要因ではないかと言われています。

  


マガジン表紙へ