密接な関係 女性ホルモンと生活習慣病


女性ホルモンの働きとは?

女性ホルモンの働きとして「女性特有の丸みを帯びた体のラインをつくる」「生理や妊娠をコントロールする」などはよく知られていますが、女性ホルモンの働きはそれだけではありません。昔は全く関係ないと思われていた生活習慣病なども、関係が深いことが分かってきています。

女性ホルモン減少→コレステロール増加

女性ホルモンは、脂肪の代謝に働きかけて、悪玉コレステロール(LDL)を減らし、善玉コレステロール(HDL)を増やす働きがあります。女性ホルモン分泌が少なくなると、血中コレステロールが高くなりやすいのです。コレステロールが増えると、それが血管壁にへばりついて動脈硬化になり、それにより高血圧になったり、心筋梗塞のリスクが高くなったりします。閉経を過ぎた女性は、男性以上に生活習慣病になりやすいのです。

女性は「小さな男性」と見なされてきた

生活習慣病の発症リスクなどの男女の違いは、最近までほとんど研究されてきませんでした。これまでの医学では、生殖器官以外の器官に関しては、男女差など考えられてこず、女性は体格差を考慮しただけの「小さな男性」と見なされてきたのです。最近では少しずつ、発症リスク、症状、治療法などについて、男女の違いが研究されるようになっています。

骨粗しょう症の8割は女性

生活習慣病ではありませんが、女性ホルモンの影響が強いのが骨の病気です。骨の新陳代謝バランスを保っていた女性ホルモンが減少すると、カルシウムが逃げ出し、骨が弱くなりやすいのです。現在1千万人いると言われる日本の骨粗しょう症患者の8割は女性です。「骨がもろい→転倒→骨折→寝たきり→認知症」というケースが多いことが問題となっています。

   

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