劇症型の食物アレルギーに要注意


“食事+運動”で起きるアレルギー

特定の食品を食べた直後に運動すると起きるアレルギーがあります。“食事だけ”もしくは“運動だけ”では発症しないのに、“食事+運動”だと発症してしまうのです。「食物依存性運動誘発アナフィラキシー」と呼ばれます。原因となる食品は、パンやパスタなどの小麦製品や、エビやカニなどの甲殻類が多いと言われています。

最悪は死亡するケースも・・・

小中高生の1万人に1人と決して高くはない割合ですが、重症例も多く、死亡するケースもあるほどです。発症を繰り返す患者でない限り、発症するかどうかは予測できないのが現状です。1回でも患った人はしっかり診断を受けて、2回目の発症を予防する必要があるでしょう。

一度の血液検査では確定できず

一度の血液検査では、食物アレルギーかどうか、どの食品にアレルギーがあるのか、分からないことも多いのです。逆に、本当はアレルギーでないのに血液検査で抗体が見つかり、アレルギーと診断される場合もあります。卵白と牛乳のアレルギーを持つ子供に対するプラセボ(一方のグループに本物をもう一方のグループに偽物を飲食させる)調査では、40%以上がアレルギー反応を示しませんでした。アレルギーでないか、別の食物のアレルギーである可能性が高かったのです。

耐性検査での確認が大切

食物アレルギーは、乳児では5~10%ですが、小学生以上では1.3%程度と、成長とともに耐性が出来て発症しなくなるケースも多いのです。牛乳、卵、大豆、米などを長い間制限すると、栄養が不足して成長が阻害される心配もでてきます。こまめに耐性が出来たかどうか確認することが大切です。現在では条件付ですが、食物耐性検査が保険適用される場合もあります。

    

マガジン表紙へ