メタボ基準 ウエスト85cmは厳しすぎ?


成人男性の半数が該当

メタボリックシンドローム(以下メタボ)の第1基準は腹囲が85cm以上であること。腹囲85cmは成人男性のほぼ標準で、腹囲85cm以上ある成人男性は約半数いると言われています。ちなみに米国の基準はウエスト102cm以上と、日本に比べてかなり緩い基準になっています。

「ちょい太」の方が長寿?

統計的には「やや肥満気味の人の方が痩せた人よりもむしろ長寿」であるというデータが多数発表されています。その中には、BMIが26〜28(身長165cmであれば体重71〜76kg)の人が最も死亡率が低いという結果も出ています。「こうしたデータを無視して決められた診断基準で新たな病気をつくり、いたずらに病人を増やしているだけではないか」との批判も聞かれます。

生活習慣病の巨大マーケット

血圧・血糖・脂質の数値を基準とするメタボでは、降圧薬、血糖降下薬、高脂血症治療薬などを同時に使うことも出来ます。予備軍も含め約2000万人も該当者がいるとされる現状では、業界にとって巨大市場が出現したともいえるのです。医師の形ばかりの生活習慣指導の後、安易に薬を大量に処方するケースが出てくることも懸念されます。

薬では内臓脂肪は減らず

メタボ治療の根幹は内臓脂肪を減らすことで、もちろん内臓脂肪を減らすのは悪いことではありません。しかし、その基本は運動と食生活の改善です。いくら薬を飲んでも、肝心の内臓脂肪は減りません。表面的な腹囲や血圧・血糖・脂質の数値に気をとられて、それを減らすために薬を使い生活改善をしないのは本末転倒になってしまうのです。

 


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