看護師グローバル化―是か非か?


フィリピンより看護師・介護福祉士を受け入れ

2007年度から看護分野で400人、介護分野で600人のフィリピン人研修生を受け入れることになりました。日本に留まって働くには、看護師は3年以内、介護福祉士は4年以内に日本の国家資格を取る必要があります。この背景には、少子高齢化による人手不足があります。

診療報酬改定→看護師増やすと報酬増える

入院患者の診療報酬は、看護職員一人当たりの患者数が少ないほど多くなります。診療報酬改定で、従来最高水準が患者10人だったところ、患者7人以下という新たな最高水準が新設されました。これにより、患者1日当たり約3000円診療報酬が多くなるのです。「人件費がかさむ分利益は増えないが、増員は負担軽減による医療事故防止やサービス向上につながる」と全国の病院で看護師の人員確保に乗り出しています。

首都圏の大病院に人材が集中

首都圏の大学病院が大量募集を行なっており、このことで地方の中小病院では、人員不足に拍車がかかる事態に陥っています。看護師は現在4万人以上不足していると言われています。しかし一方、看護師などの資格を持ちながら現場を離れている「潜在看護職員」は約55万人いるといわれており、「外国人に頼るよりも、こうした人材を活用する方が先ではないか」という意見もあります。

是々非々、さまざま・・・

「安価な労働力として活用され日本人の給与水準が下がる」との懸念もあります。一方、宗教的なものからか、日本の看護師よりはるかにホスピタリティーに富んだ人材が多いという声もあり、実際に英語圏では既にフィリピン人看護師が大勢活躍しています。始めるからには、きちんとした制度作りをし、問題が生じた場合は速やかに対応策を出せるような体制作りが必要でしょう。

  


マガジン表紙へ