産後ストレス
悪化すると「うつ病」になる



15人に1人は産後鬱(うつ)病

一過性で軽度のマタニティーブルーに比べ、重度のものは「産後鬱(うつ)病」と呼ばれます。5〜10%の発生率で、マタニティーブルー経験者がかかりやすい病気です。出産後約1〜2週目で症状が出始め、数週間でピークに達します。その後3ヶ月〜12ヶ月長く苦しむケースもあります。初出産や低年齢の場合に多く見られ、「里帰り出産」から帰った時も注意が必要です。

産後鬱(うつ)病の起こる要因

ホルモンバランスの変化のほか、社会心理的要因も大きいと言われています。「母親」といった役割の重圧感、慣れない育児への不安感に加えて、夫や周囲から実質的・精神的育児のサポートが得られないと発症しやすくなります。内向的、神経質、潔癖症、完全主義者といった性格の持ち主に多く発症します。

ひどくなると命の危険につながる

気分が落ち込み不眠や食欲不振が生じたり、いつも疲れて体がだるく、集中力や記憶力が弱くなったりします。また、子供の成長や病気に異常に反応し、自己責任から「母親失格」と思い込む人も。そうなると、子供や夫に愛情を感じられず、愛情を持てなくなります。ひどい症状だと、自殺や新生児と心中、新生児への虐待といった命の危険につながります。

家族の早期発見とその後のケアが大事

まずは、周囲の思いやりや理解が大切です。本人は肩の力を抜き、気持ちに余裕を持つようにし、育児の不安は一人で悩まず、周囲に相談するようにしましょう。マタニティーブルーから、さらに重度のうつ病に移行するケースがあるので、早めの対処が必要です。ただ、ひどくならなければ、一定期間で、身体の変化とともに徐々に適応して自然に落ち着きます。