亜鉛は、体内のホルモンや免疫物質、消化酵素などを合成するために不可欠な栄養素。皮膚細胞・精子・脳細胞などの新しい細胞をつくるためにも欠かせません。亜鉛が不足することで、更年期に見られる様々な障害が出やすくなるのです。ちなみに、亜鉛を多く含む食品として牡蠣(かき)や牛の赤身肉などがあります。
ビタミンEも大切
ビタミンEは男性ホルモンの分泌と深く関わっています。ビタミンEが不足すると生殖器官は萎縮しますが、充分に摂取すれば、精力が減退しにくいことも証明されています。
ミネラルの一種であるセレンは不足すると精子が減少します。ただし、統計では日本人男性は充分な所要量を摂取しています。例えばビール1杯や牛肉80gで1日に必要な分を補えるのです。逆にセレンは強い毒性があり、1日の許容上限が250μgとされていて、これを超えると、吐き気、爪の変形、脱毛などの症状が出る場合があります。アメリカで錠剤によるセレン中毒の報告もされていますので、サプリメントの服用には注意しましょう。
栄養素以外にも、もうひとつ更年期障害対策として大切なこと、それは運動です。加齢により男性ホルモンは減少しますが、実は脳下垂体の中に保存されている成長ホルモンは性ホルモンの肩代わりをしてくれます。運動することによって、筋肉は疲労の原因でもある多量の乳酸を体内に発生させますが、この乳酸、実は成長ホルモンの分泌を促す役割も担っているのです。