一滴の涙で…乳ガンが判明する?!
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一滴の涙で乳ガンかどうか分かる!という検査技術が注目されています。ある物質が涙に含まれているかを調べるだけで良いのです。というのも、人体の細胞からは臓器から別の臓器へメッセージを伝達する1万分の1ミリほどの小胞(小さなカプセルのようなもの)「エクソソーム」が出されています。
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このエクソソームは、ガンの転移に関与していることが明らかになっていて、ガンのマーカーとして期待が高まっています。さまざまな細胞から出るエクソソームは涙以外に、血液、唾液、汗などからも検出されます。そうした中で涙を使うのは、不純物が少ない上に簡単に採取できるからです。ドライアイの検査で使われるシルマー試験紙を利用し、目尻に挟んで涙が染み込むまで待てば採取が完了します。採取された涙に含まれるエクソソームを抽出し、専用の分析装置で小胞内の物質を調べれば、5分ほどで乳ガンの有無が判定できます。
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こうしたことが可能になったのは、エクソソームを従来の1千倍も高感度に分析できる装置が開発できたからなのです。検査技術が進歩して検査が手軽にできると、検診受診者の増加が期待できます。厚生労働省の調査によると、日本の40〜60代の乳ガン検診の受診率は5割に満たず、乳ガンの患者数や死者数の増加に歯止めがかかっていません。乳がんの主な検査方法はマンモグラフィーと超音波検査ですが、仕事や子育てで忙しい世代にとって、予約の手間が検診を後回しにする一因と考えられているからです。
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涙による乳ガン検査は臨床研究の途中ですが、2026年頃までに一部の医療現場で希望する患者へ検査キットを使用できるようにし、数年後には検査キットで自宅採取し検査機関への郵便検診ができるように期待されています。さらに将来的には、卵巣ガンや前立腺ガンなどの乳ガン以外の疾患にこの検査を応用することも考えられています。
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