女性も男性も深い関係 〜コレステロール〜


女性ホルモン

女性ホルモンと男性ホルモンの両方に関して影響が大きいのがコレステロールです。女性ホルモンのエストロゲンには、血管を強くする、血管の収縮を抑制する、悪玉コレステロールを低下させて善玉コレステロールを増加させるといった働きがあります。こうした女性ホルモンの働きにより、高血圧、高脂血症、動脈硬化、肥満症、糖尿病などの生活習慣病のリスクを低く抑えられます。

男性ホルモン

一方、男性ホルモンのテストステロンには、血液中のコレステロールや中性脂肪を増加させる作用があります。そのため、男性は女性に比べて、生活習慣病の発症リスクが高くなります。男性は若い世代でも生活習慣病になりやすいので、早くから生活習慣病対策をする必要があります。

しかし、閉経後は…

しかし、女性も一生涯安心というわけにはいきません。実は男性にも女性ホルモンは分泌されていて、その量は少ないものの一生を通じて量は変わりません。一方、女性は更年期以前は大量に女性ホルモンが放出されますが、閉経後は急激に少なくなり、なんと男性より少なくなるのです。更年期以降の女性は男性以上に高脂血症になりやすく、高コレステロールにならないよう注意する必要があります。

すすむ男女別の診療

これまでの医学では、女性は「小さい男性」と位置づけられてきました。女性はほとんどの病気について、男性を対象とした研究から導き出された予防法や治療法を適用されてきたのです。体格の差を考慮して薬の投薬量を男性より少なめにするといった程度のことしか行われてきませんでした。しかし、男女差に注目した「性差医療」は1990年代後半から大きく進展してきました。まだ不明なことが多いのも事実ですが、最近では女性の体と心をトータルに診る「女性外来」、それに対応するように男性を対象とする「男性外来」も増えてきています。

    

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