中高年もワクチンを打つ時代に?


注目される 高血圧ワクチン

「予防接種」と聞くと、子供に関することと思う方も多いでしょうが、中高年の人にとっても、有効なワクチンが実は色々とあります。最近話題の新型インフルエンザに関しても、65歳以上の人は優先接種対象になっています。そして、まだ開発段階ですが、最近注目されているのが高血圧ワクチンです。

高血圧ワクチンの仕組み

血圧を上昇させるホルモンと、それに結び付くホルモン受容体とは、まさに鍵と錠前のような関係になっています。血圧を上昇させる鍵となる「ホルモン」は、合致する錠前である「ホルモン受容体」に結び付くことによって、血圧を上昇させる作用が出現します。高血圧ワクチンは、いわば錠前の穴を別の鍵でフタをすることによって、元来の鍵を使えなく(ホルモンが作用しなく)します。薬の飲み忘れなどが起こらないため、こうしたワクチンに期待がかけられています。

肺炎球菌ワクチン

肺炎球菌ワクチンも知っておきましょう。肺炎球菌が引き起こす病気には、肺炎、気管支炎、副鼻腔炎、中耳炎などがあります。70歳以上の人が肺炎になる原因菌は、肺炎球菌が一番多いのです。肺炎球菌には80種類以上の型があり、それぞれの型に対して免疫をつける必要がありますが、肺炎球菌ワクチンを接種すれば、そのうち感染する機会の多い23種類の型に対して免疫をつけられます。これら23種類の型で、全ての肺炎球菌による感染症の約8割を占めています。

再接種できない 肺炎球菌ワクチン

しかし、この肺炎球菌ワクチンについても「ワクチン後進国」の側面が垣間見られます。肺炎球菌ワクチンによる抗体値(ワクチンの効果を示す指標)は、5年でピークの8割に低下します。そこで、米国では前回の接種から5年以上経過した場合には、再接種が推奨されています。しかし、日本では再接種は許可されません。短期間に再接種を行なうと、接種した部位での強い副反応が見られるためとされていますが、実際には5年以上間隔をおけば副反応は大丈夫なようです。

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