この健康診断で何が分かるの?


【視力検査の結果から疑われる病気】

視力低下から疑われる病気としては、白内障・中心性しょう液性網脈絡膜症・加齢黄斑(おうはん)変性高血圧糖尿病による眼底出血などがあります。また、仮面うつ病の症状として視力障害が現れることもあります。

【眼圧検査の結果から疑われる病気】

高眼圧であれば緑内障の可能性があるため、眼科で視野検査などの精密検査を受ける必要があります。

【眼底検査の結果から疑われる病気】

■緑内障

眼底には、視神経が網膜から脳に向かって出て行く「視神経乳頭」と呼ばれる部分があり、そこがへこんでいると緑内障の可能性があります。一般的に、高眼圧であれば緑内障が疑われるのですが、日本人には眼圧が正常なのに起こる緑内障(正常眼圧緑内障)が多いことが分かってきています。“眼圧が正常範囲内だから緑内障でない!”と断定は出来ず、眼底検査で視神経乳頭の凹みをチェックすることが大切なのです。

■網膜剥離(もうまくはくり)

網膜と網膜の間に水分がたまり、神経網膜が色素上皮から剥がれている状態です。そのまま放置すると視力や視野の障害が起こってきます。

■糖尿病網膜症

糖尿病網膜症は、成人が失明する主要な原因ですが、初期には自覚症状がなく、眼底検査を行わないと見つかりません。

※ちなみに・・・
網膜の血管は体外から直接観察できる唯一の血管であるため、従来は動脈硬化の状態を推測する手がかりとして、眼底検査が行われてきました。しかし、網膜の血管が必ずしも全身の血管状態を示すわけではなく、最近は、緑内障・網膜剥離・糖尿病網膜症の検査が主な目的となっています。

    

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