「時間医学」でダイエット!


身体活動全般にも体内時計

体内時計は、眠くなったり目覚めたりといった睡眠のコントロールの他にも、体温・血圧・脈拍などの自律神経系、内分泌ホルモン系、免疫や代謝系など、様々な身体の活動に関わっています。こうした生体リズムは短いものは90分から、長いものは1年まで、様々な長さがあります。

体内時計を応用した「医学時計」

こうした生物の日内変動や季節変動を研究する学問を時間生物学と呼び、それを取り入れた医学を「時間医学」といいます。「時間医学」で血圧をみてみると、日中は正常値でも早朝に計ると高血圧の値が出る人がいます。こうしたケースを早朝高血圧といい、日中計ると正常値のために高血圧に気がつきにくく、脳卒中や心筋梗塞のリスクになる危険性が高いのです。こうして限られた時間での結果だけではなく、一日のサイクルで健康を考えます。

ダイエットにも有効

時間医学的な考え方は、実はダイエットにも有効です。1日のリズムになっている食事時間と、運動開始時間を組み合わせることにより、ダイエット効果が変わる可能性があるのです。食べた後に増える血中の脂肪のほとんどは中性脂肪です。この中性脂肪が脂肪細胞にくっついてしまう前に、脂肪を筋肉に使わせることができればよいのです。

食後1〜2時間後に早足歩き

筋肉が中性脂肪を燃焼するには、リパーゼという酵素の働きが必要です。筋肉中のこの酵素は、アドレナリンで活性化が高まります。交感神経は運動や興奮をするとアドレナリンを分泌します。心臓がドキドキするのを感じたらアドレナリンが分泌されている証です。食べ物が脂肪になる前に、血中に中性脂肪として出ている食後1〜2時間後に早足で30分程歩くのが、最も効果的と考えられます。

    

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