いるの?いらないの? 尿検査


新健診では「検尿」がない?

08年4月から生活習慣病予防などを目的に新しい健康診断が導入されます。40歳以上の全ての人を対象に、国民健康保険や健康保険組合などの保険者に実施が義務づけられます。この新健診において「検尿」が、今の必須項目から選択項目に格下げされることが検討されました。

厚労省:全員検査の有効性に疑問

厚労省は尿たんぱく検査を「腎不全や透析導入の予防に効果があるとの証拠はなく、費用対効果でみると、必ずしも全員に検査をすることは有効とはいえない」とみなしました。そして、06年夏に作成された新健診項目の暫定案において、「検尿」を必須項目から、医師の判断で選択的に実施する選択項目にするという案が出されたのです。

日本腎臓学会:必要性を主張

こうした厚労省の意向に対して、日本腎臓学会などは、尿たんぱく検査を必須項目に加える要望書を厚労省に提出しました。尿たんぱく検査で早期に見つかれば腎炎などの進行を抑えることができるのに、尿たんぱく検査がなくなってしまうと発見が遅れて、慢性腎炎や透析患者が増える心配がある、と強い反発があがったのです。

一転して「必須項目」に決着

そうした反発の声を受けて、厚労省が一転考えを変え、尿たんぱく検査と尿糖検査が必須項目に盛り込まれることになりました。しかし、こんなに簡単に意見を変えるならば、最初の理由はなんだったのかと釈然としない気もします。ただ、せっかく必須項目と決まったのであれば、受診する側としては何の役に立つ検査なのかをきちんと知っておき、自分の健康維持に役立てるようにしましょう。

   

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