レセプト開示で不正請求を防ごう


不正請求は年間数兆円

日本の医療費は年間約30兆円ですが、「不正請求」の額は、数兆円と言われています。この不正請求を見逃さないために、具体的に、個人で出来ることとして、次の3つを覚えておきましょう。1.診療所や病院へ行った時には領収書をもらう。2.その領収書と医療費通知を照らし合わせる。3.それで疑問がある場合は、レセプトを請求する。

レセプトには診療内容が記載

レセプトとは、「医療機関が診療報酬を請求するため、患者が加入する保険者(健康保険組合など)に提出する書類」で、検査や処置などの診療内容や医薬品名が記載されています。このレセプトに、自分に覚えがない診療や薬などがあれば、不正請求があった可能性があります。

レセプト開示、医療機関は拒否出来ず

4月に個人情報保護法が施行されました。これに基づき、患者本人が保険者(健康保険組合など)に対してレセプトの開示を請求した場合、医療機関が拒否しても原則として開示するよう厚生労働省は指導しています。

開示は不正請求の改善につながる

これまで「患者と医師の信頼関係を損ねる」などと言って、医師や医療機関の反対で開示されないケースがありました。実際の診療や投薬と違う内容の報酬を請求されても、患者側からのチェックは難しかったのです。このことが、不正請求の温床とされてきましたが、レセプト開示の事実上の義務化で、こうしたことの改善につながりそうです。