メタボ 子供への対策も急務!


肥満の子供 30年で5割増

中高年のメタボが最近よく話題になりますが、昨今の健康志向からなのか、中高年は体力づくりに励む人が増えています。大人のメタボ以上に深刻なのは子供のメタボなのです。12歳の肥満児割合は10人に1人、特に男子は年齢とともに肥満傾向が上昇し、15歳では7人に1人の割合で肥満児です。

肥満傾向は西低東高

実はこの肥満傾向、地域別で大きな差が出ています。例えば、男子15歳を都道府県別に見ると、全国で最も低い埼玉や静岡では10%を割り込みます。一方、15%を上回った8道県のうち、北海道と東北地方で6道県を占めています。最高値の秋田では肥満率21%、5人に1人に肥満傾向が見られたのです。食事内容では全国の均一化が進んでいるので、東北と北海道における肥満傾向の原因は、冬の運動不足ではないかと推測されています。

冬の運動不足が一番の要因?

秋田県では冬を経た春の調査結果に比べ、秋の調査結果は体格がスリムになる傾向があるそうです。寒い地域では外に出て遊ぶより、家の中にいる時間が長くなり、当然食べ物を口にする機会は増えることになります。さらに、同じ県内でも中心市より郡部で肥満率が高い傾向にあり、学校が遠く親が車で送迎する機会が多いことも運動不足に拍車をかけていると推測されます。

体力低下も年々進行

一方、1500メートル持久走による体力測定では、毎年体力の低下が進んでいることが見てとれます。体力低下も肥満の増加も問題の根っこは同じです。生活を便利にしてきたことで社会全体の食生活や睡眠が乱れ、身体を動かす機会が減っているのが問題なのです。身体を動かさないことでは世界でも指折りで、学校の授業以外で1日30分週2回以上身体を動かしている割合を調べた国際比較調査で、日本はドイツや米国の半分という結果が出ています。